1. はじめに
離婚時の財産分与は、感情的にも複雑な問題です。
中でも大きな割合を占めるのが「不動産(=家)」の扱いです。
– 「ローンが残っている家をどう分けるか」
– 「名義は夫だけど、妻が住んでいる」
– 「家の価値をどう判断すべきか分からない」
このようなケースは、話し合いがこじれる原因になりやすく、最悪の場合“離婚後のトラブル”に発展することもあります。
そうならないためには、“感情”ではなく“事実(資産価値)”に基づいた判断が必要です。
そしてそのための最初の一歩が、「家の査定」なのです。
2. 家の査定がなぜ重要なのか?
財産分与において、不動産の査定は以下のような重要な判断材料になります。
◆ 市場価値を知ることで公平な分配ができる
たとえば——
・3,000万円で購入した家=現在も3,000万円の価値があるとは限らない
・ローン残債がいくら残っているかによって「正味の価値」は変わる
こうした数値をしっかり把握することで、
「どちらがどれだけの資産を受け取るか」を冷静に話し合える土台が整います。
◆ 名義と支払いが異なるケースでもトラブル回避に役立つ
よくあるのが、
– 名義は夫だが、実際に住み続けるのは妻
– ペアローンで負担を半分ずつにしていた
といったケースです。
こうした場合にも、「家の現在の価値」と「残債」を知っておくことで、誰がどれだけ負担・譲渡するのかを整理できるため、感情的な対立を回避しやすくなります。
3. 査定をしないまま進めると、起こりやすい3つのトラブル
3.1 感覚で分けてしまい、どちらかが損をする
「たぶんこのくらいの価値だろう」と曖昧なまま折半してしまうと、
実際には一方が損をしていたということも起こり得ます。
3.2 売却後の金額に納得できず、揉める
「思ったより安く売れてしまった」「こんなはずじゃなかった」と後から揉めるケースも。
査定によって“適正な相場感”を事前に共有することが、信頼関係の維持にもつながります。
3.3 離婚成立後に資産整理が長引く
家の処理を後回しにしたことで、名義変更や売却がスムーズに進まず、
“離婚はしたのに関係が切れない”状態が何年も続く…という例も少なくありません。
4. 泉大津市でのご相談事例
◆ ケース①:50代ご夫婦/名義は夫、支払いは共働きで折半していた
▶ ご相談の背景
泉大津市内の住宅に20年以上住んでいたご夫婦。
お子さまの独立を機に関係性が冷え、離婚を決断されましたが、問題になったのは「家の扱い」でした。
– 住宅ローンはすでに完済済み
– 名義は夫単独だが、購入当時から共働きで支払いは半分ずつ
– 妻は「家の価値を折半してもらいたい」と希望
– 夫は「自分名義なのだから、自分のものだ」と主張
お互いの主張が平行線をたどる中、感情的な対立に発展しかけたため、第三者の公平な評価が必要だと感じて当社に相談が入りました。
▶ 査定を実施し、「数字」で事実を明確化
無料査定を行ったところ、築年数・周辺相場から2,400万円の売却想定価格が提示されました。
さらに、当時の契約書と支払い記録から、奥様も継続的に家計から住宅関連費用を負担していたことが確認され、弁護士を通じて「実質的な共同財産」と認められる形に。
▶ 解決の流れ
ご夫婦で売却に合意。
– 売却後、手元に残った資金を1,200万円ずつ折半
– 夫は郊外の平屋に住み替え
– 妻は実家の近くで駅近のマンションを購入し、娘と新生活をスタート
▶ 奥様の声
「売るのは正直つらかったです。でも“誰の家か”ではなく、“どう暮らすか”を考えたとき、この選択でよかったと思えるようになりました。」
◆ ケース②:40代女性/離婚協議中、住み続けるか悩んでいた
▶ ご相談の背景
ご主人との離婚がほぼ決まり、子ども2人を引き取って育てていくことに。
現在はご主人名義の戸建てに住んでおり、「このまま住み続けられるなら楽だけれど、住宅ローンは名義人である元夫が支払うことになる」と悩まれていました。
– 名義変更は夫が難色を示している
– 自分だけではローンの継続審査が通るか不安
– 仮に支払えたとしても、築20年以上の家に将来まで住めるのか?という迷い
▶ 査定を通して「住み替え」も視野に
無料査定を実施した結果、現在の家の市場価格は約1,900万円。
ローン残債は1,200万円程度と確認できたことで、売却すれば残債を完済した上で、手元に資金が残ることが明らかに。
また、売却益の一部をもとに、近隣の賃貸物件への住み替えを提案。
子どもの学校区を変えずに住めるエリアで、教育環境も確保できることから決断されました。
▶ その後の暮らし
– 売却は元夫名義で実施し、妻が利益の一部を受け取る形に
– 妻子3人で新しい生活をスタート
– 家計管理がしやすくなり、気持ちの整理も前向きに進められた
▶ ご本人の声
「ずっと『残るべきか、出るべきか』で悩んでいましたが、数字で見えたことで腹が決まりました。今は“無理をしない選択”ができてホッとしています。」
◆ ケース③:30代共働き夫婦/住宅購入3年後に離婚、ローン残債あり
▶ ご相談の背景
住宅購入からわずか3年、夫婦関係のすれ違いが原因で離婚。
– 住宅ローンはペアローン(夫婦それぞれに債務あり)
– 購入当初の価格よりも不動産価値が下がっている
– 一方だけがローンを背負っても、生活が回らない状態
▶ 任意売却を提案
査定額はローン残高を下回る見込みでしたが、早期売却で任意売却が可能と判明。
金融機関との交渉により、残債の一部減免と、分割返済の合意が得られたことで、売却が成立。
その後、夫婦それぞれが新たな賃貸住宅へ住み替え、精神的にも経済的にも再スタートを切ることができました。
▶ ご夫婦の共通の声
「売却という選択がなければ、どちらかが破綻していたかもしれません。早めに相談して本当に良かったです。」
◎ 感情でぶつかる前に、「数字と現実」で整理する
泉大津市でも、「財産分与をどうするか」で揉めかけたご夫婦が、“不動産の正しい価値を知ること”によって冷静な話し合いができたケースが数多くあります。
査定は、感情ではなく“事実”から判断するための土台。
不動産という大きな資産をどう扱うかは、未来の安心と直結しています。
5. まとめ 〜 不動産の査定が「冷静な話し合い」の出発点に
家の価値を知らずに財産分与を進めてしまうと、
– 損をしたまま我慢することになる
– 不信感が残る
– 離婚後の関係まで引きずってしまう
といったリスクが生まれます。
逆に、査定をして「資産の現実」をしっかり見ておけば、
気持ちの整理もつきやすく、スムーズに新しい一歩を踏み出すことができます。
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